遺留分侵害額請求の方法と遺留分の計算方法

遺留分
遺留分侵害額請求の方法 調停
遺留分の計算方法

遺留分侵害額請求の方法とは? 調停か話し合いか?

1.話し合いでの解決

相手との関係性が良い場合は、遺留分侵害額請求を行うときは話し合いから始めましょう。
もめそうな場合や関係性が薄い相手の場合には遺留分の消滅時効前に、内容証明郵便で遺留分侵害請求を行ってから話し合いを行います。
揉めそうな場合は相続に強い弁護士に相談し話し合いを進めましょう。
合意に至ったら遺留分侵害額についての合意書を作成し、合意内容に従って支払いを受けます。

2.調停での解決

話し合いによる合意ができない場合は、家庭裁判所に遺留分侵害額の請求調停を申し立てます。申し立てをする裁判所の管轄は相手の住所地の家庭裁判所となります。
調停を申し立てると、家庭裁判所の調停委員が間に入って調整を進め、遺留分侵害額の金額や支払い方法について合意ができれば調停が成立し、金銭の支払いが行われる事となります。

3.訴訟

調停で合意に至らない場合には、遺留分侵害額請求訴訟を行います。
裁判所が遺産を評価して遺留分を計算し、相手に支払い命令を下します。調停と違い、話し合いではないので当事者の合意は不要です。
裁判で主張を認めてもらうには、法的に正しい主張を行い、それを根拠づける資料の提出が必要です。自分一人で対応が難しい場合は弁護士に依頼するのが良いでしょう。

遺留分侵害額の請求についての法改正

遺留分侵害額請求権の行使による権利は金銭債権へ
2018年の法改正により、遺留分権利者は,贈与又は遺贈を受けた者に対し,遺留分を侵害されたとして,その侵害額に相当する金銭の支払を請求することとなり、金銭債権化となりました。

【注意ポイント】
・遺留分侵害額請求としての金銭支払い請求を受ける後は、支払い済み まで遅延損害金年3%が発生します。 
・侵害額請求に対し資金がない場合、他の遺産で支払いに変えると譲渡所得税が発生する場合があります。

遺留分の対象となる財産の範囲と遺留分の計算方法について

遺留分の対象となる相続財産の範囲は?

1)被相続人が死亡時に有した全ての財産

被相続人が亡くなったときの不動産・現金・預貯金・貴金属・債権・特許権などが遺留分の対象財産となります。

2)被相続人から死亡前に相続人または第三者に贈与された財産

相続人または相続人以外の人に被相続人から生前に贈与された財産で、相続人は被相続人の死亡前10年以内の贈与、相続人以外は1年以内の贈与が対象となります。

3)被相続人の債務

被相続人の借金や住宅ローンなどの債務がある場合は相続財産からマイナスします。

遺留分の計算方法について

遺留分の計算方法は被相続人が死亡時に有していた財産に遺贈された財産額を加え、被相続人に債務があれば差し引き、その合計額に遺留分割合を乗じた額が遺留分金額となります。

遺留分の対象財産と遺留分の計算方法

遺留分侵害額請求額を算出するときの注意点

1.留分を侵害する事を知って行った生前贈与
当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは①相続人に対して10年より前になされた贈与であっても、、②相続人以外に対して1年より前になされた贈与であっても、当該贈与は遺留分の計算に参入されます。

 
2.遺留分権利者に対する10年以上前になされた贈与
遺留分権利者が受けた10年以上前の贈与は遺留分の対象財産とならないが、遺留分額を算定するときは10年以上前に受けた贈与額は差し引いて侵害額を算出する。

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